プレミアリーグの選手登録で適用されている「ホームグロウンルール」って、どんなルールか疑問を持っていませんか。
私もプレミアリーグが好きでよく見ていますが、最近までホームグロウンルールを知りませんでした。
ホームグロウンルールは選手登録に重要なルールで、移籍市場にも影響が大きいです。
なぜなら、ホームグロウンに適用されない選手が登録できる枠が決められているからです。選手登録枠をしっかり活用するにはホームグロウンが適用される選手を抱えることが重要です。
この記事では、ホームグロウンルールってどんなルールなのか。
移籍市場との関わりについて紹介していきます。
ホームグロウンルールをきちんと理解することで、プレミアリーグをより楽しめるようになるので、ぜひ覚えてください。
・ホームグロウンルールがどんなルールか
・ホームグロウンルールと移籍市場の関り
・ホームグロウン選手の移籍例
・移籍が注目されているホームグロウン選手
プレミアリーグの選手登録ルール
プレミアリーグでは選手登録において、次のルールを設けています。
・登録できる選手は25人まで
・外国人枠はない
・ホームグロウン選手のみを登録できる枠が7名
・ホームグロウン選手以外の登録は最大で18名
・21歳以下の選手は上記登録人数に関係なく登録できる
・外国人選手は労働ビザを取得する必要があり
取得条件は、該当選手が代表選手として出場している国のFIFAランキングに依存するが、直近の2年間の国際Aマッチ75%以上出場が目安。(日本人選手はこの壁が高い)
給与や移籍金の金額に応じた例外的なポイント制度による特別付与はあるが、一定金額を超えていないといけないためレアケース
プレミアリーグのホームグロウンルール
選手登録ルールにホームグロウン選手が定義されていますが、ホームグロウン選手を定義するルールを説明していきます。
ホームグロウンルールとは、2010-2011年シーズンから導入された自国育成選手の国外流出を防ぐための施策です。
ホームグロウン選手になるためには、21歳の誕生日を迎えるまでに3シーズン、または36カ月以上イングランドやウェールズのクラブ(下部組織を含む)でプレーしていなければいけません。
イングランドやウェールズ出身の選手である必要はなく、国籍関係なく該当している選手は対象になります。
つまりホームグロウン選手になるためには、10代のうちにイングランドのクラブに所属している必要があります。
各クラブはホームグロウンとして育成した選手を簡単に放出しなくなります。
ここで改めて選手登録ルールを整理すると、
・残りの7人はホームグロウン枠(7人すべて登録をしないといけないわけではない)
つまり、ホームグロウン選手がいないと最大18名しか登録ができません。
ホームグロウンが導入された経緯
イングランド以外のヨーロッパ4大リーグ(スペイン、イタリア、ドイツ)ではこのルールは設けていません。
なぜプレミアリーグでホームグロウンルール導入されたのか。
主に以下の4点が考えられます。
・自国の若手選手のモチベーションを向上させるため
・イングランド代表の強化につながると考えた
・外国人選手の増加に歯止めをかける必要があると判断した
2000年代に入って移籍市場が盛り上がって、大物選手の移籍が頻繁に行われています。
イングランドのチームも移籍市場でチームを強化していきました。チェルシーやマンチェスターシティのオーナーが変わったのがこの時代です。
外国人選手が急激に増えて、イングランド人の出場機会が減ってしまっていることが、本ルールの導入につながったといえます。
最近では各クラブが若手の育成に強化しているので、導入から10年経ち本ルールの効果は十分出ています。
ホームグロウンルールが移籍市場に及ぼす影響
2020-2021シーズンでアーセナルのメスト・エジル選手が登録外になりましたが、これも夏の移籍市場でホームグロウン外の選手枠が埋まってしまい、登録が出来なかったことが理由です。
結局エジル選手は出場機会を求めて冬の移籍市場でトルコのフェネルバフチェに移籍をしています。
このようにホームグロウン外の有力選手を移籍市場で獲得すると、ホームグロウン外の枠が余っていない限り、現所属選手の中から登録外または放出する必要があります。
各チーム(特に上位クラブ)は、ホームグロウン選手の確保をするために移籍市場を活用します。
市場に出ているホームグロウン選手は、プレミアリーグのクラブにとっては更に評価があがります。
つまり、ホームグロウン選手を獲得するには、市場価格以上のコストが掛かります。
この後にマンチェスター勢によるホームグロウン選手の獲得事例を記載しますが、実際に高額な移籍金が発生しています。
もう一つのアプローチとして、ホームグロウン選手を育成する方法があります。
最近のマンチェスターユナイテッドは、アマド・ディアロなど10代の将来有望な選手の獲得が多くなっています。
これは充実した育成施設で自らホームグロウン選手を育てる方針にシフトしているためです。
主なホームグロウン移籍選手
マンチェスター勢が移籍市場で注目されることが多いですが、この両チームはホームグロウン選手の獲得も多いです。
ここ数年の獲得選手を一部ピックアップしたのが以下の表です。※金額は現地報道および当時レートを記載
移籍先クラブ | 選手名 | 移籍金額(日本円は当時レート) | 移籍元クラブ |
---|---|---|---|
マンチェスターシティ | ジョン・ストーンズ | 4750万ポンド(約72億円) | エバートン |
カイル・ウォーカー | 5400万ポンド(約82億円) | トッテナム | |
ジャック・グリーリッシュ | 1億ポンド(約152億円) | アストン・ヴィラ | |
マンチェスターユナイテッド | サンチョ | 7300万ポンド(約111億円) | ドルトムント |
ハリーマグワイア | 8000万ポンド(約104億円) | レスター | |
アーロン・ワン=ビサカ | 5000万ポンド(約68億8000万円) | クリスタルパレス |
プレミアリーグで実績があるホームグロウン選手は、移籍金が跳ね上がる傾向です。
この傾向はホームグロウンルールが継続する限りは続くと考えられます。
移籍市場で注目のホームグロウン選手
ホームグロウン選手の移籍金が跳ね上がる傾向があるので、今後の移籍市場で大きな移籍金を生む可能性のある選手を数名ピックアップしてみました。
所属クラブ | 選手名 | コメント |
---|---|---|
アーセナル | スミス・ロウ | 期待を背負って10番を着用したが、けがの影響もありパフォーマンスは下降気味。心機一転で移籍の可能性も |
マンチェスターユナイテッド | マーカス・ラッシュフォード | テンハグ就任で輝きを取り戻したエース クラブ愛が強い選手ですが、他クラブが狙うのは必然の選手 |
トッテナム | ハリーケイン | クラブ愛が強いですが、リーグ最強FWなので注目銘柄 |
チェルシー | メイソン・マウント | クラブ生え抜きの選手ですが、近年の大型補強でスタメンを外れることも増え移籍の噂あり |
ウェストハム | デクラン・ライス | チェルシーユース出身でウェストハムで才能を開花したMF マンチェスターユナイテッドや古巣チェルシーが狙っている噂が多いです |
私個人としては、ハリーケインの国内移籍を見たいです!
まとめ
ホームグロウンルールとは、自国育成選手を他のリーグに流出させないためのルールです。
スペインやフランスの某クラブのように有力選手を高い移籍金で獲得をするだけで強化をするのではなく、育成と補強のバランスを図った素晴らしい施策と言えます。
プレミアリーグは、世界各国で放映がされており人気のサッカーリーグです。
他のリーグと比べても分配される放映権の収入が多く移籍市場で主役を担うことが多いです。
プレミアリーグの各クラブが移籍市場で活動をしていく中で、ホームグロウンルールは常に意識をして動いています。
移籍市場での評価額と実際の移籍金にギャップが生まれていることも事実です。
移籍市場を楽しむためにも選手登録ルールを理解しておくと、移籍市場の動きを予想出来たり、移籍金が納得出来たりするので、ぜひ覚えておいてください!
最後まで見てくださりありがとうございました!